2014年3月16日日曜日

我が寮で3Dプリンターが誕生した!

同じ寮に住むエンジニアの卵、ダニエル君がとんでもないことをやらかした。
なんと、寮で3Dプリンターを組み立ててしまったのだ。

3Dプリンターというと、僕にとってはまだどこか未来のような話でもあり、最新鋭の工場や研究所にあるイメージだった。しかし、それを田舎にある、しかも偏差値のあまり高くない大学の寮で、一人の学生が組み立ててしまったのだ。ダニエル君も少しはすごいのかもしれないが、何よりも3Dプリンターが自宅で簡単に作れてしまうことが衝撃的だった。

早速、実際にこの3Dプリンターを使ってカメラのレンズキャップホルダーが完成するまでの過程を、写真とともに紹介しよう。


レンズキャップホルダー(定価1480円)




これが3Dプリンター



そしてこの手作り感。



①設計図のデータをダウンロードする
何を作りたいか決まったところで、まずその設計図のデータを手に入れなくてはならない。これを自分で作るのはなかなか専門知識が必要そうだが、案ずることはない。3Dプリンターで作れる様々な物のデータを無料でダウンロードできるサイトがあるのだ。アメリカの「makerbot Thingiverse」というサイトでは、様々なユーザーたちが自分たちの自作の設計図のデータを無料でシェアしている。ここで自分の好きな物を探し、クリックして
ダウンロードするだけである。ちなみに、このようなサイトは他にもたくさんあり、中にはアダルトグッズのデータ専門のサイトもあるらしい。。。


左のPC画面にあるのが設計図のデータ



②3Dプリンターと繋がっているパソコンで「スタート」を押す
それであとは待つだけ。ちなみに今回のレンズキャップは40分ぐらいかかった。ノズルの動きは速いのだが、その物体の体積を埋めていかなければならないので時間がかかるのだ。

ちなみに、普通のプリンターでいうインクの役割を果たすのが、このプラスチックのケーブル。これを溶かしてくっつけていく。イメージ的には、あの誰もが一度は図工で使ったであろうホットボンドに似ている。




プラスチックケーブル
(他の素材も売ってるらしい)


では、その作業工程をみていこう。


まず最初に、底の枠をプリントアウトしてゆく


次に、その枠の中を埋めていく


一層目が終わると、次はこの上に2層目を作っていく。
この
①枠組みを作る
②枠の中を埋める
③次の層へ
というパターンを何度も繰り返し、プリントしていくのだ。


30分後

そして約40分後・・・


完成!!


キャップもぴったり!

これはもう本当にすごい。欲しかったレンズキャップホルダーが手に入ってもう大興奮である。もし店で買っていれば、このプラスチックの塊ごときに1480円近く払うことになっていただろう。彼らは商売あがったりだ。

製造業者からすると、こんなに恐ろしい発明はないだろう。もはやプラスチックの製品ならなんでも個人が作れてしまうのだ。近い将来、技術の発展によって現存する多くの職業はなくなってしまうという話を聞いたが、それを実感した。

ダニエル君に聞くと、彼は1200ドルでこのキットを買い、付いてきた説明書とインターネットを使って組み立てらしい。1200ドルは日本円でいうと12万円ぐらいだから、値段的には決して安くない。しかし、ノートパソコンが買えるぐらいの庶民なら手が届く範囲ではある。ちなみに、完成済みの3Dプリンターは2800ドルもしたが、技術の発展するスピードとそれに伴う低価格化(ムーアの法則)を考えると、東京オリンピックを迎えるときには、多くの市民の自宅に3Dプリンターがあるのではないかと思う。

しかもさらにすごいことには、この3Dプリンターは自分で自分を複製することができるのだ。もちろん金属の部分やチップなどは別だが、プラスチックでできている部分はすべて作れてしまう。実際にダニエル君の買ったプリンターの部品も、プラスチック部分は3Dプリンターで作られている。

なんだかターミネーターみたいな話になってきた。
せっかく作ったが、征服される前に、この3Dプリンターを壊しておこうか。

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