2013年11月28日木曜日

苔むしたタイムマシン

ついさっき、このブログを発見したときは、おもわず感慨に耽ってしまいました。ICUの英語カリキュラム“ELP”で使ったこのブログは、あれから2年もの間、誰にも見られることなく膨大なインターネットに埋もれて眠り続けていたのです。


あれから2年。今僕がアメリカに留学していることを、あの当時誰が予想したでしょう?僕自身、アメリカには絶対に留学しないと思っていました。実際、留学に応募したときもアメリカは希望しませんでした。それなのに今僕はここにいる。人生はどう転ぶかまったくわかりません。こちらが望もうが望むまいが、おかまいなしに転がっていくみたいです。


懐かしさにページをスクロールしていると、当時書いたCA Blogging Assignment 6という小文を見つけました。僕はその書き出しに“unintended consequence”(“予期せぬ結果”)という言葉を残していましたが、これだけがこの未来を予期していました。確実なのは、未来は不確実だということ。それだけなのです。あの記事にコメントを残してくれた僕の仲間たちは、今ごろ何をしているのでしょうか…。


なんだか、長年放って置かれて苔むしたタイムマシンに乗って、たったひとりで2年前からやってきた気分です。インターネットは本当に不思議で、この世界にはこのブログみたいに、苔むしたタイムマシンがたくさんあるのでしょう。その中のほとんどは、一生誰にも発見されることなく、眠り続けるのです。


この世界の性格からしたら、一度埋もれたタイムマシンは大抵の場合、二度と発見されることはないでしょう。なぜなら、検索機能は優先順位をつけるからです。誰にも見られないものは、より深くへと埋まっていく。とても残酷です。もしこれが書物なら、もっと希望はあったでしょう。図書館に埋もれた誰にも読まれない本でさえ、なにかの偶然で、ばったりと人の眼にとまることがあるからです。僕はそういうとき、本のタイトルと著者の名前を頭の中で読んであげます。なぜなら、本はその著者の人生の一部だからです。僕は父が本を書いたので、このことをよく知っています。


このブログは幸運でした。一生誰にも見返されることのないはずだった2年前の僕の人生が、また光を見たからです。タイムマシンはまた動き出したのです。夜空にあるのは、奇しくも2年前に止まったときと同じ、秋の星座—このブログの壁紙イメージです。今度はゆっくりと進んで行くことでしょう。

              ———あれから2年後の、Autumn nightに。